AdGuard VPNをレビュー|広告ブロックが便利だが接続拒否が課題

有名な広告ブロッカーである「AdGuard」。スマホならばアプリ、PCならブラウザの拡張機能またはソフトウェアをインストールすることで、あらゆる広告をブロックできます。

 

公式サイトは日本語に対応しており、最新のセキュリティ・プライバシー情報についても発信しています。

 

そんなAdGuardが満を持してVPNを公開しました。その名も「AdGuard VPN」。「トップクラスVPN」をうたっていますが実際どうなのでしょうか。

 

adguard-vpn.com

私は無料で無制限に利用できたBeta版の頃から使用してきました。最初の感想としては「速い」でした。ボタンを押してから接続されるまでの時間、使用中の通信速度ともに体感ではとても速く感じました。

 

その後、有料版が出るということで早速登録。しばらくは快適に使用していました。

 

しかし、ある問題が発生します。Googleで検索すると「reCaptcha認証」が表示されたのです。メールフォームなどで送信する際、「自転車の画像を選択してください」といったポップアップが表示されることがあると思います。あれです。

 

1回認証するだけなら良いのですが、検索するたびに確認を求められ、さすがにうっとうしくなってきます。Startpage.comなどGoogle以外の検索サイトを使用すれば表示されることはないのですが、Googleがまともに使えないというのはマイナスポイントでした。

 

また、リンクをクリックしてからいつまでたっても表示されないサイトがありました。VPNをオフにすると表示されるので、VPNが原因だという予想はできたのですが理由がわかりません。

 

しばらくインターネットで調べていると、IPアドレスがブロックされているのではないかという疑いを持つようになりました。

whatismyipaddress.com

こちらのサイトでは、自分のIPアドレスブラックリストに載っていないか調べることができます。VPNをオンにした状態でチェックしてみると、「dnsbl.spfbl.net」が赤く表示されました。何かしら「不審」だと見なされてブロックされているようです。

 

Googleについても、ブラックリストについても、VPNからの接続では害を与えられる可能性が高いと判断しての対応ということだと思います。

 

実際、身元を隠すためにはTorのような仮想ネットワークを使うのが確実なので、一般のVPNについても何か悪用される可能性があるのでしょう。

 

※8月6日追記

ブロックされるサイトの傾向を調べていると、Xserverを利用していると思われる個人サイトが多いように感じました。Xserver側の設定で海外接続をはじくようになっており、AdGuard VPNを使うと海外からの接続と見なされるため閲覧できないのかもしれません。

 

このようなマイナスポイントがありますが、メリットとしてはAdGuardが運営しているという安心感が挙げられます。英語が主ですがフォーラムが解説されていますし、Github上に情報を公開しているので透明性があると思います。また公式サイトが日本語化されており、メールでの日本語サポートがある点も好印象です。

 

AdGuard VPNではノーログポリシーを掲げており、通信内容が記録されることはないとしています。またAdGuard広告ブロッカーでの実績もありますし、セキュリティ対策についてはある程度安心できるでしょう。

 

他のVPNサービスにはない(と思われる)機能は、DNSサーバーの変更です。何もしなければデフォルトのDNSサーバーが使用されますが、「AdGuard DNS」を選択すれば広告がブロックされるようになります。ほかにも「Google Public DNS」や「Cloudflare DNS」が用意されています。

 

4月21日現在ではiOSAndroidChrome拡張機能、Fiirefox拡張機能、Edge拡張機能に対応。Beta版ではありますが、WindowsMac用のソフトウェアもダウンロード可能です。

 

アカウント登録すれば、無料で3GBまで使用することができます。有料版にすると容量の制限がなくなり、最大5台のデバイスで同時使用することができるようになります。

 

まずは無料で使ってみて、問題がなさそうだったら課金するという順番が良いと思います。Windows版、Mac版のソフトウェアが正式にリリースされるまで待つのも良いかもしれません。

 

※私はネットワークに関してそれほど詳しくないため、間違いがあるかもしれません。お気づきの点がございましたらそっと教えていただけると助かります。